FOIAの改正論議が行われた1983年の上院の公述記録や、商務省の問題点指摘には、以下のような記述があります。
「任意の企業が提出した任意の情報に対してなされたFOIAに基づく請求について、それが受理された10日以内にFOIサービスは他の一般企業に対して年360ドルの予約金で、請求者とその請求の性質について通知している」
とか、
「公開請求者には、いわゆるFOIサービス産業が多く含まれており、それらは、入手した情報を通常の手数料の3~4倍で一般企業に提供している実態がある。
FOI関係費用の90%以上は税金でまかなわれているのであり、この制度により利益を上げているものには費用をもっと多くする方向での料金改正が必要である」
・・・などといった記述があり、FOIサービス産業の活躍ぶりがうかがえます。
1982年11月に、アメリカのFOIAの実施情況を調査した神奈川県経営者協会のレポートには「企業関係の法律事務所が活躍しているほか、FOIAで開示される官公庁情報の日報がよく売れている。
また年間650ドルで、依頼主の企業の情報の請求があったことを警告してくれる会社も繁盛している」
・・・とあります。
アメリカの傭報公開法(FOIA)と、企業秘密をめぐる実情の一端を紹介します。
日本で、最近になって企業情報の事前告知制度が急にクローズアップされ、広がりはじめようとする背景には、アメリカでのトラブルが声高に聞こえはじめたせいのように感じられるからです。
東京都情報公開懇談会の調査団が、1983年にアメリカ、カナダを訪れた際、まず1番驚いたのは、官公庁の職員が、例外なく、極めて真剣に、しかも大汗をかいて、FOIAと取り組んでいることと、企業の利用状況がものすごく多いということだったそうです。
企業関係の利用状況について述べてみます。
FDA(食品医薬局)には、年に3万4400件(1982年)の情報公開請求がありますが、そのうちの71%が企業関係で、プレス関係は6%、市民団体の利用は1%だそうです。
他の資料では、FBIに対する請求の60%が企業、16%が刑事被告人か、その疑いのある人、また環境庁も、その大半が企業の請求ということでした。
企業向けに情報公開関係の情報を流してお金をいただくFOIサービス産業(FOI)は、ますます繁盛しています。
FDAへ情報を請求する企業関係の28%が、そういう会社の人たちだというデータもあります。